体験&展示で環境問題をみんなで考える! 恒例の「国立環境研究所 夏の大公開」が大盛況でした
2009年8月24日(月)
チーム員である国立環境研究所は7月25日(土)、「国立環境研究所 夏の大公開」を開催しました。これは毎年実施している恒例イベントで、所内の施設や研究内容を一般に公開。様々な企画や展示、デモンストレーションを通じて来場者に環境問題への関心と理解を促すと同時に、研究者の皆さんが疑問に答えるなどして交流を深めようというものです。
地球温暖化研究棟では、研究者による『「ココが知りたい温暖化」講演会~低炭素社会のつくりかた~』が開かれました。まずは増井利彦氏による講演「2020年の温室効果ガス排出量をどうする?」。6月に発表された、2005年比マイナス15%という、CO2排出量の2020年における削減目標(中期目標)についての解説や、中期目標の達成に向けて今後どうしていくべきかの話が繰り広げられました。増井氏は、今後は家庭部門のCO2削減を進めていく必要があること、そのためにはエコカーの購入をはじめ、各家庭ごとの努力が求められることなどを参加者にアピールしました。また、CO2の削減を世界がどのように分担すればよいのか、これまでCO2を大量に排出して経済発展を続けてきた先進国と、これから経済発展をしていきたい途上国とでCO2削減の主張が割れている現状も明かしました。そして講演の最後には「10年後の地球は皆さんの手に委ねられています」とのメッセージを送りました。
続いて、藤野純一氏による講演「2050年の低炭素社会をどうデザインする?」へ。日本は2050年にCO2を60~80%削減するという長期目標のためにどうしていけば良いのか解説しました。低炭素社会の定義について藤野氏は「生活に必要なサービスは発展させながらも、投入するエネルギーはできるだけ少なく、できるだけ低炭素なエネルギーを利用する社会」であると紹介。これを踏まえた上で、2050年にどんな低炭素社会をつくるのかを参加者と考えようというものです。その具体策として藤野氏は「低炭素社会に向けた12の方策」を挙げました。
これは、民生部門・産業部門・運輸部門・エネルギー転換部門について、低炭素社会実現のために実行していくべき方策です。この方策に則って、例えば家庭では、利便性の高い居住空間と省エネルギー性能が両立した住宅へ誘導していくことでエネルギー消費量を削減します。藤野氏は、こうした取組を各部門で実践することとエネルギーの低炭素化により、経済発展を続けながらもCO2排出量を70%削減することは可能であるという研究結果を報告しました。
その後、笹野泰弘氏の司会による参加者とのフリーディスカッションが行われました。参加者から出た質問「低炭素社会を実現するには、強制力を持つ方策も取り入れるべきでは?」「国は省エネ家電への買い替えを呼びかけているが、まだ使えるのにゴミにするのはもったいない気がするが?」などに各研究者が意見を述べました。
地球温暖化研究棟ではこのほか、「地球温暖化 あなたの疑問に答えます」をテーマに、様々な展示や体験コーナーが設けられ、研究者が来場者に解説していました。また、「低炭素社会に向けた12の方策」のパネルも展示され、来場者の皆さんに詳しく、分かりやすく紹介することで理解を促しました。さらに、地球環境の未来を担う子どもたちに温暖化対策の理解を促す企画も用意。親子連れを中心に人気を集めていました。
また、低公害車実験施設では「低炭素社会の暮らしと交通」をテーマに、自動車の実際の燃費をはかるデモンストレーションやマイカーの使い方・買い替えからまちづくりまで、低炭素社会の交通について考える展示、2020年のCO2削減量をコンピューターでシミュレーションする最新式『10年後シミュレーター』などが設置されていました。
低公害車実験施設北広場では、電気自動車や電動自転車の試乗コーナーが設けられ、来場者の皆さんはそれらに乗ることで来るべき低炭素社会をイメージしていました。

「ココが知りたい温暖化」講演会。お子さんからご年配まで幅広い年代層の方が参加しました。
講演会の司会進行を務めた笹野泰弘氏(右) |

「2020年の温室効果ガス排出量をどうする?」のテーマで講演した増井利彦氏(左)と、
「2050年の低炭素社会をどうデザインする?」のテーマで講演した藤野純一氏(右) |

エネルギーの大切さを自転車をこいで実感する「自転車de発電」のコーナー |

温暖化問題や「低炭素社会に向けた12の方策」を解説したパネルを展示 |

低公害車実験施設で行われた、自動車の実際の燃費をはかるデモンストレーション試験 |

電動車両の試乗体験コーナー。エコカーとして期待されている電気自動車と、坂道でも楽な電動自転車で低炭素社会をイメージ |
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