エコ・アクション・ポイント
温暖化対策型商品の購入やサービスの利用、あるいは省エネにつながる行動に対しては、ポイントが付与される。そして貯まったポイントはさまざまな商品やサービスと交換できるだけでなく、その他のポイントや電子マネーにも換えられる――。温暖化防止国民運動の切り札ともいわれる「エコ・アクション・ポイント」について、環境省総合環境政策局 環境教育推進室 室長補佐 中島恵理さんに、いろいろとお話しをうかがった。
「エコ・アクション・ポイント」が必要な理由
「日本は京都議定書に基づき、2012年までに1990年比で6%の温室効果ガスを削減しなければなりません。ところが、その排出量は増加の一途をたどっており、なかでも『家庭部門』のCO2排出量が伸びています」
中島さんによれば、「家庭部門」のCO2排出量は1990年比で約4割増加しており、対策の一層の強化が求められているという。しかも地球温暖化に対し関心を示す層が9割を超えているにも関わらず、温暖化対策型商品の購入といった積極的な行動を起こしている人たちは、その5%にも満たないという流通業界などの見方もある。そこでなんとかして温暖化対策型の商品・サービスの購入や、省エネにつながる行動を消費者に促し、CO2削減へと結びつけていけないものかと考案されたのが、「エコ・アクション・ポイント」だ。
消費者や企業にもたらすメリット
エコ・アクション・ポイントの仕組みは、企業が発行している販促ポイントと同じ。温暖化対策型の商品やサービスの購入量に応じ、その商品やサービスを提供する企業がポイントを付与する。発行ポイント分に相当する資金はその企業が出資するので、会員登録を済ませた消費者は貯まったポイントを、言わば通貨としていろいろな商品やサービスへと交換できる。
また企業にしても、エコ・アクション・ポイントを付与することで、従来のマーケットを超えた新規顧客への販売活動を促進できるほか、エコ・アクション・ポイントのサイトやメールマガジンで、自社の温暖化対策型の商品やサービスを積極的にPRできるので、販売数の拡大も期待できる。しかもこうした活動は、環境省のホームページや各種メディアに取り上げられるため、社会的責任を果たす企業として自社をアピールすることができるのだ。
「消費者にとっては、単に貯めたポイントを商品やサービスへ交換できるだけでなく、温暖化対策型の商品やサービスの購入で、自身がCO2削減にどれだけ貢献したかが理解できます。しかも貯まったポイントが、環境に配慮した商品やサービスに交換されることを考えた場合、エコ・アクション・ポイントは環境に優しい消費者を育てながら、同時にエコ・ビジネスをも育てていくという、そうした意義を持った事業ともいえるのです」と、中島さんは話す。
エコ・アクション・ポイントのイメージ
温室効果ガスの排出削減に資する商品・サービスの購入・利用や省エネ行動によりポイントが貯まり、そのポイントの量に応じて、商品等の経済的価値のあるものと交換できる仕組み
実際に動き出したモデル事業
エコ・アクション・ポイントのモデル事業としては、JCBが2008年10月からスタートさせたポイントシステムがある。家電メーカー、量販店、消費財メーカーなど、温暖化対策型商品等を販売する複数の業種の事業者が参加できる、横断的なエコポイントプラットフォームをJCBが運営、管理。現金を含む決済手段に広く対応し、さまざまな商品・サービスにポイントを付与することができる仕組みとなっている。しかもポイント付与に必要な設備も、既存のものを活用することができるよう配慮されているのが特長だ。
「このモデル事業における消費者(会員)のメリットとしては、参加事業者が増えるにしたがい、ポイント交換できる商品やサービスの選択肢が広がることが挙げられます。また参加事業者のメリットとしては、お互いが共通のプラットフォームを利用することによって、企業間の送客効果が期待できるほか、プラットフォームに蓄積されていく顧客データを共有することも可能となります」と、中島さんは解説する。
蓄積されたその情報は、自社のマーケティング活動やCRM(顧客管理)活動にも活かせるため、ポイント原資、あるいはシステム使用料といった企業負担も、参加事業者にとっては効率のいい投資と見なされているのである。
「エコ・アクション・ポイント」の可能性
「2008年度はシステムを立ち上げるところにエネルギーが費やされたため、エコ・アクション・ポイントについての認知度はまだ高くはありません。けれども生活に深く根ざした仕組みへと成長させていくことは十分に可能と考えていますので、国民のみなさんが日常生活のあらゆる場面でエコ・アクション・ポイントに出会っていただけるよう、参加企業の拡大を促していくとともに、会員を拡大することで『家庭部門』のCO2排出量の削減へとつなげていけるよう、環境省としても努力を続けていきたいと思います」
それに環境への投資は長期的な視点に立てば企業にも、そして消費者にとってもコスト削減につながり、経済を活性化することにもなるはずと中島さんは言葉をつなぐ。それだけに景気の低迷が続く今だからこそ、地球環境保護へのさまざまな取り組みと連携させながら、エコ・アクション・ポイントを経済活性化の起爆剤にしていきたいのだと抱負を語る。
エコ・アクション・ポイント
http://www.eco-action-point.go.jp/
全国型エコ・アクション・ポイント事業(株式会社JCB運営)のHP
ただいま会員募集中(無料)!
http://eco-ap.jp/

