グリーンビルディングの建設促進(アメリカ合衆国/ポートランド)
グリーンビルディング基準「ポートランドLEED」
アメリカのポートランド市は、環境負荷をなるべく減らして生物多様性にも配慮した建物(グリーンビルディング)の建設を促進するために、同市の持続可能な発展事務所によって、建築政策の強化や、技術援助、広報や奨励策などを包括的に実施する「G/レートプログラム」を行っています。
その一環として、同市は2001年に、持続可能性に配慮したビル評価システムであるグリーンビルディング基準「LEED」を全ての市所有建築物の建設や改修に導入することを決定しました。このLEEDは基準が厳しく多方面にわたるために、認証されたビルの評判は非常に高いと言われています。同市は、ポートランド市持続可能な発展事務所が入っている古い建物のグリーンビルディング化を実践し、グリーン化を施した建物について、上から2番目の評価であるゴールドメダルという評価を受けました。
そしてLEED導入を決めた翌年、同市はグリーンビルディング建設を更に促進するため、地域特性を考慮し、雨水管理やエネルギーの効率的利用、土地利用や公共交通優先等、より高い目標を織り込んだ「ポートランドLEED」を作成しました。また、ポートランド開発委員会は、ポートランドLEEDの一定基準に達すると認めた建設計画に対して財政支援をすることも決定しました。
その他同市は、800,000ドルでグリーン投資基金を設立し、2000~2002年にかけて、69の住宅や商業施設、新たな技術プロジェクトに対して資金を提供したり、オレゴン州政府と共同で、建物の規模とLEEDに基づく評価に応じて所得税を控除する「企業エネルギー税控除制度」を整備したりして、グリーンビルディング化へのインセンティブを与えています。
この様な同市のグリーンビルディングの基準は、建物の評価だけでなく、企業や市民などにグリーンビルディングへの投資を促すためにも不可欠なものになっています。
G/レートプログラム
グリーンビルディング施設見学
グリーンビルディングを進めるG/レートプログラムは、地域のディベロッパー、家主、建設業者、デザイナー、商業組合、大学などとのパートナーシップによって運営されています。こうしたパートナーシップを組むことで、地域の専門技術や資源活用を図っています。
同プログラムの教育や普及といった面においては、環境に貢献した企業の表彰や、一般の人々がグリーンビルディング基準を導入した市内の企業や個人の家を見て回ることができるグリーンビルディングホームツアーを定期的な開催などが行われています。
技術支援の面においては、専門コンサルタントが、無料で技術的な助言をしたり、グリーンビルディングに初めて取り組む業者を対象に、分かりやすくまとめたガイドブックを出版したり、ホームページで地域のグリーンビルディングの商品やサービスを紹介したりしています。これらの活動によって専門コンサルタントは2000年から2003年までに300以上の建設事業に助言を行い、市の担当局は電話やメール、ホームページで一日約200人からの質問に答えてきました。
さらに、専門家によってグリーンビルディングに関するレクチャーやワークショップ、視察ツアー、新しい技術や事例紹介も行っています。ワークショップは有料なものの、設計者・建設業者の講義や、現場視察等を軽食付で行うため、充実した内容となっています。
これらの総合的かつ徹底的な取り組みによって、同市では2001年のプログラム開始時から2003年2月までに1,300世帯の住宅と26の公共、商業、複合ビルがグリーン化し、その面積は306,000㎡にまで広がるという実績を残しました。

