ネイバーフッド・パワー・プロジェクト(アメリカ合衆国/シアトル)
地域ごとの資源の節約と効果的利用
プロジェクトのロゴ
アメリカのシアトル市では、市営電力会社のシティライトの省エネ促進事業に、同市の他の環境・生活関連部局も参加して、市民や民間企業を巻き込んだ「ネイバーフッド・パワー・プロジェクト」を行っています。エネルギー・水・その他の資源の節約及び効果的な利用と、廃棄物の排出の削減に向けての総合的な取り組みによって、地球温暖化防止と持続可能性を高めることにつながるという考えのもと、このプロジェクトは行われています。
同市とシティライトは、1995年から毎年一つの地区を選んでこのプロジェクトを実施しています。1995年から1997年までは、温暖化防止分野の非営利財団から資金援助をうけて大規模に行っていましたが、1998年からは年間約250,000ドルの予算で、規模及び内容を変更して続行しています。
対象地区を選出する際には、警察、公共事業(上下水道・ゴミ)局、住宅局、公園局等の関連部局と相談し、地域の市民センター館長の意見や、人種、収入状況も考慮した上で事業効果が上がる地区を選定します。対象地区が決まった後、地域の一体感を生むためのロゴ作りは欠かさず行い、その都度地域それぞれの個性あるロゴが発表されます。住民や中小企業には、手紙や集会といった手段でプロジェクトの説明やボランティアへの参加募集を行うと共に、地域の新聞にインセンティブプログラムの広告を載せてインセンティブに関する周知を図り、関係団体とはワークショップの開催をします。これらの事前準備のもと、立案された計画を実施していきます。また、実施期間の最初と最後には、地域の参加団体が集まるパーティーが開かれ、コミュニティの連帯を高める工夫なども行われています。
毎年、このプロジェクトを行う地域によって異なりますが、1年を通して削減される電力量は、130世帯の年間電力消費量に相当する1,300,000~1,400,000kWhを見込んでいて、実績も上がっています。
ノースレイナー及び国際地区での取り組み
ノースレイナー及び国際地区は、2004年から1年間、ネイバーフッド・パワー・プロジェクトの対象地区となった人口60,000人ほどの地区です。
同地区は、省エネに取り組んだ家庭や企業に対してあらゆるインセンティブを提供しました。シティライトが行うエネルギーや水の使い方に関する調査に協力した世帯には、電球型蛍光灯と省エネ型シャワーヘッドを提供し、電気暖房をしている集合住宅に断熱対策を施す場合には、コストの50~70%をシティライトが補助し、家屋を修繕する際には、その費用を上限24,000米ドルまで3%の利子で融資する制度をシアトル市住宅局に設けました。さらに、中小企業が照明を効率の良い器具に交換した場合には、シティライトが費用の最高60%まで補助する制度も取り入れました。
その結果、当初の目標をはるかに上回る1,000個以上のシャワーヘッドが配布され、中小企業による効率の良い照明器具への交換についても目標を上回る140以上の企業で行われるという実績を残しました。
その他、同地区では、ボランティアによって近隣世帯にエネルギー消費の少ない電球型蛍光灯を届ける活動や、地域の安全確保と防犯意識の向上を地域ぐるみで行うことで、コミュニティ活動の喚起を行ったり、ワークショップによる教育啓発活動を行ったりと、省エネに留まらず、地域やコミュニティの協力関係を築くことに対しても力を入れました。
これらの取り組みの結果、同地区では116世帯の年間電力消費量に相当する1,200,000kWh以上の電力量が削減されるという実績を残しました。

