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持続可能な観光都市(スペイン/カルヴィア)

夏の地中海リゾート カルヴィア

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リゾート地カルヴィア

スペインのカルヴィア市はマヨルカ島の中心地パルマ市街から車で20分ほどの場所で、美しい海岸線を資源に60年代から80年代後半に急速に観光地化した有名な夏の地中海リゾートの一つです。年間300日は太陽に恵まれ、夏場を中心に年間168万人の観光客が訪れる同市は、地元の経済活動の95%が観光産業に依存しています。
同市における大規模な海浜リゾート開発は、1980年代末から1990年代にかけて大きな転換期を迎えました。観光地の大衆化や周辺環境の悪化、市街地の過密が問題になり始め、市民だけでなく、観光業界でもサービスや質の低下への危機感を抱くようになったのです。加えて、夏に観光客が極度に集中することによって、オフシーズンの失業も問題になっていました。
このような状況から、従来の成長重視型の観光が地域と共存できるものではなくなってきたと感じた同市では、市民や地元企業の参加のもと、質の高い環境と自然や文化に価値をおいた、持続可能な観光都市に生まれ変わるための行動計画「ローカルアジェンダ21」を策定するに至りました。

ローカルアジェンダ21

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ホテル建物の解体(写真提供 カルヴィア市)

カルヴィア市の「ローカルアジェンダ21」は、4年間にわたっての専門家による研究・分析や市民集会等による地域社会の声の反映を経て、正式に採用されました。このローカルアジェンダ21は、都市計画システム、経済と観光、文化遺産、地域環境、総合化と生活の質、主要な環境部門といった主要6分野で構成され、長期的な視野に立って経済及び観光の発展と、社会文化、環境の観点を統合させ、地域の持続可能性を目指す内容となっています。
ローカルアジェンダ21の中の行動計画のうち最も大胆な都市再開発事業が、海岸地域に集中したホテル群を整理しカルヴィアの景観を保全するために行われたビルの取り壊しでした。この計画によって総計30件以上のホテルが取り壊されました。加えて、緑地や遊歩道が整備されたり、新規でホテルや観光施設を建設する際に制限を設けたりと、景観と環境の保全に向けた取り組みが行われました。
その他にも同市は、地中海地域10団体が参画する「ゼニオスプロジェクト」に参加し、既存のホテルに対してエネルギー監査を行ってよりエネルギー効率の高いホテルにするための改修点を指摘し、太陽エネルギーの利用を促すといった活動をしてきました。
「ローカルアジェンダ21」による取り組みのうち、対策の進んだ分野は新総合都市計画規制の実現、海岸地区の自然保全、旧ホテルの取り壊し、廃棄物削減や再利用分野等で、1997年から3年間で全項目のうち52.5%の達成率となりました。
一方、対策がほとんど進まなかった分野は水消費削減やエネルギー消費等で、その後3年間でも水消費は0.75%の増、エネルギー消費は2.64%増という結果に終わりました。これら成果があまり出ていない事業や未着手な事業については、それらの事業に的を絞って取り組むワーキンググループを設け、対策を進めています。