

--今回のTalkShowへのゲスト出演は、エコロジカルなことに関心があってのこと? そして出演してみて、どう思いましたか?
Massattack(以下M)「もともと、やまだひさしさんを知っていたということもあります。やまださんのエコ活動も知っていたのですが、でもあそこまで本格的にやっているとは知りませんでした。やまださんのソーラーバッグも見せてもらって、すごい嬉しそうな顔で(笑)。そういうやまださんの誠実な姿に、ぼくらも勇気をもらいます。かっこいいと思いましたよ。
ぼくらは音楽をやっているけれど、音楽は自分たちだけのものではない。ぼくたちは何百人という人の前に立たせていただくので、そこに立つことは責任がかかってくると思っていたので、何かできるんだったらやってみたいと、それを今回のイベントでは思いました」
Tarantula(以下T)「ぼくは、"マイナス6%"は知っていたんですけど、日本では、普通の人や裏方の人ががんばっているけど、表に立つようなぼくらがやらないといけないんだなって、今回のイベントで強く感じましたね。例に出すのはおかしいんですけどアメリカだったら、たとえばヒップホップのアーティストがゲットーや低所得者層のコミュニティに行って、ドラッグをたち切れとか、貧困を地域のせいにするなとか自分たちが先導して声を上げていくのを当たり前にやっている。しかも自分たちが生まれて育った地域に行ってそれをやる。彼らは地元じゃ、ヒーローじゃないですか。彼らが言うからかっこよかったり、説得力があったりする。そういうのは、地元地域に対する『愛』だと思う。だから、今回盛岡農業高校のイベントで、地元の小岩井農場の取り組みを見させてもらったのは、ヒップホップに近いような気がする。地元、かっこいいじゃんっていう……」
--ステージでまず、「盛岡、好きかー?」と生徒たちに聞いていたのは、そういうことだったんですか?
T「地元を愛するっていうのは、おれ自身ヒップホップから教わったことだから。ヒップホップって、見ようによってはチャラかったりガラが悪かったりするんだけど(笑)、音楽の中では、一番地元に愛情を持っているジャンルだと思うんですよ。N.Y.とかハーレムじゃ、それ故に地元の中での争いもあるけど、もとをただせば地元愛なんですよね。おれは地元が都内だから、東京大好きだし。そんなおれだから言えることもある。だから環境問題といわれるようなことでも、盛岡は盛岡で『こういうかっこいいことがあるんだから、おまえらも実践しようぜ』みたいなほうが、考えてもらうにはダンゼン説得力がある。とくに高校生みたいな若い子にとっては。そういうことから、道ばたにゴミを捨てないというようなことにつながっていくと思う」
自分が生まれ育った地元を誇りに思えば、愛着もわく。その感情はいずれ、"地元を大切にしたい"というタネになると熱く語る。「環境問題云々……」の前に、まず自分が住む場所を大事にする。その想いこそが、今起こっている環境問題をひも解くヒントになる。
その第一歩が、まず自分から変わること。それは一つの機会だ。
M「『チェンジ(change)』って英語だとアルファベット一つ変えるだけで『チャンス(chance)』になる。変わるチャンスは自分。誰かにやれって言うんじゃなくて、言われるんじゃなくて。自分が変われば、そうしたら世界は変わってじゃないですか。だからまず自分が変わる。自分一人からまた一人へっていけば、地域も変わっていくし、地域から市や県へ、それから県から国って変わっていく。国が変われば地球もよくなっていく。最初は、ほんとうに人から人へだと思うんです。実際に動いて、実践している姿を見せることによって、絶対に変わっていけるし変えていける。だから自分の振る舞いって大事だなって思うんですね。そこから善くも悪くも連鎖が違ってくる」
T「今、たまたま思い出したんですけど、この前ラーメン屋に行ったんですよ。そこ、テーブルにある箸入れに割り箸と塗り箸が半分ずつ入っていたんですよ。ゴミや環境を考えるなら、ふつう『うちは使い捨ての割り箸じゃなくて、何度も使える塗り箸です』となると思うんですよ。おれは、使えという感じで、押しつけがましいのはイヤなんだけど(笑)。でも割り箸半分、塗り箸半分って、自分がすごい試されているようで。でも割り箸を使ったからって怒られるわけでもない。だけど、塗り箸を取るわけじゃないですか(笑)。でもおれが取ることによって、周りのやつらは『あ、割り箸取っちゃまずいよな~』と思うかもしれない。そういう心理的なことかもしれないけど、人には連鎖する部分があると思う。そのときはたまたまかもしれないけど、おれの両隣の人も塗り箸を取ったんだよね。
あとね、箸が一緒の箱に入っているのが象徴的だと思った。今のおれらが置かれている状況とよく似ている。見て見ぬフリができるやつは、関係ないって割り箸を使えるだろう。でも両方ある。『Choice is yours(選択するのはあなた)』って言われたら、そりゃ選ぶよね。お店の人、よく考えているなぁ~って(笑)。
こうやって、よくないことを見せるから良いことがわかるっていう場合もありますね」

--ナルホド。考え選択するんだという伝え方は、人それぞれ。では、Spontaniaにとっての伝え方は、どんなふう?
T「おれらができるベストなことって、『ふだんこんなエコなことをしています』というだけじゃなくて、今回のステージみたいにライブでグリーン電力を使うようなことなんじゃないかと思う。だってアーティストとして、若い子たちは、おれらを好きでいてくれているわけだから、アーティストとしてできること。だから音楽を通じてするほうが、説得力があるんじゃないかな~とおれは思う。人は、説得しても動かないけど、納得すれば動くんだし。しかも自分で納得して動くって、その責任も伴っているということ。『●●って良くない?』って言えるってことは、それを納得していることでしょう?」
M「くり返しかもしれませんが、ぼくは自分がまず行動すること。でも『なんでぼくだけ』と、焦ったり迷うことはしょっちゅうあります(笑)。そのときに、『なんで、人と比べるんだろう』と思う。自分の進歩を人と比べるより、『昨日の自分』と比べて1mmでも変化があればいいんじゃないかって思いますね。自分の弱い部分もちゃんと受け入れての『ぼく』なんですね」
T「くじけるのが当たり前。自分を律して前に行ける人がすべてではないから。それを見せられるのがぼくらの役割」
T「地球はおれらのものではなくて、おれらが地球のものなんだから。自分の家に唾は吐かないじゃないですか。ようするに地球を自分の家と思えば、唾は吐かないし、汚すことをしないのは当たり前じゃないですか」
M「そうそう。ぼくも、人間が地球でもあると思う。だからぼくは、自分の体を傷つけるようなことはしたくないな。健康でいたいし、健康でいるのは自分次第なんですよね、やっぱり」
大義名分でも建前でもない、自分の丸はだかの気持ちやコトバが人を動かすことを知っているSpontaniaのふたり。だからこそつまずいてもいいと正直。
そしてエコロジカルなアクションもまた、自分一人が続けられなくても、いいと思って伝えれば、人から人への連鎖でいい方向へ向かっていくと改めて気づかせてくれた。
Massatack "電車移動"
「ぼくはクルマに乗りません。というか自動車免許を持っていないんです(笑)。だから今は、電車に乗って移動しています。不便はないですね。もう1回(免許を)取ろうかとも思ったんですけど、クルマの技術があとひとつ進歩してからかな? 映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のデロリアン(クルマ型のタイムマシン)みたいに、生ゴミで動くようになったらクルマを運転してもいいかな(笑)」
Tarantula "ノー・レジ袋"
「買いもの袋を持って、近所のスーパーには行くこともありますけど、忘れちゃうこともある。でもコンビニで買う水くらいなら、袋はいらないので断る。スーパーでもちょっとしたものなのに、袋に入れようとするから、『いや、いいっす、袋は』って言っているんです」
