イベントレポート
日本有数のエネルギー関連施設を見学し、低炭素社会について考えよう!
環境モデル都市・北九州市と連携し「クールアース・デー記念エコツアー」を開催!
2009年7月21日(火)
北九州市
チーム・マイナス6%(環境省)では、クールアース・デーの7月7日(火)に、チーム員で、環境モデル都市の幹事都市である北九州市と連携して、「環境モデル都市 北九州市エコツアー」を開催しました。
このイベントは、環境モデル都市に選定された北九州市で、温暖化防止対策などの先駆的な取組を見学、体験することにより、「低炭素社会」についてわかりやすく学ぼうという趣旨で催されたものです。北九州市はかつて工業都市として発展し、深刻な公害を克服してきた実績があります。また、エコタウン事業をはじめ、いち早く循環型社会に取り組み、2008年7月、環境モデル都市に選定されました。今回のツアーでは、エコタウンに集積するエネルギー施設を見学し、エネルギーについての理解を深めてもらうと同時に、北九州市の豊かな自然を体感することで自然環境との共生がいかに大切であるかを考えるきっかけづくりを目的としました。
北九州市では、今年4月からエコツアーをスタート。2回目となる今回は、予想以上の応募があり、抽選の結果、近隣の市民も含め36名が参加しました。ツアーは北九州市から認定された市民エコツアーガイドと環境局の担当者が案内しました。
JR小倉駅前を出発し、バスで最初に訪れたのは、エコタウン事業の中核に位置づけられる若松響灘地区。約2,000haの広大な埋立地には研究機関や環境産業が数多く集積しており、まさに日本の未来を担うエコアイランドといった印象です。その玄関口であり、エコタウン事業の取組を展示・紹介する環境学習の拠点が「北九州市エコタウンセンター」。ここでは、北九州市 環境局 環境首都政策課 新エネルギー政策担当係長の奥谷栄次さんにより、エネルギーの種類と特長、北九州市のエネルギー政策についてわかりやすく解説していただきました。
奥谷係長によると、「筑豊で石炭が多く取られるようになり、若松港は日本一の石炭積出港となった。若松区にとって石炭はとても馴染みの深いエネルギーだった」といいます。石炭は石油や天然ガスに比べて燃焼した際のCO2排出量が多いなどの欠点がありますが、鉄を作る際や発電所での燃料などに利用されるなど、生活にかかわっているエネルギーです。同地区には最先端の石炭ガス化技術を研究開発する「電源開発(株)」があり、石炭の新たな技術開発を行なっているとのこと。また、「響灘には、世界に2箇所しかない海上石油備蓄基地があり、日本の石油消費量の約9日分にあたる石油が備蓄されていること」、「同地区の風力発電は港湾地区においては日本初」ということなど、市内在住者の参加者も初めて知る興味深い話がいくつか聞かれました。
エネルギーについて勉強した後は、奥谷係長の解説を聞きながら車中から若松区響灘地区に位置するエネルギー関連施設を見学しました。「西部ガス(株)」では、天然ガスから都市ガスを製造し北九州地域約30万世帯に供給、「日本コークス工業(株)」では、コークス製造に伴う熱などの有効利用を行っています。また「北九州エコエナジー(株)」では、廃棄物をガス化溶融処理する時の熱を利用して発電し、エコタウン内の工場に送電しています。他にも、自動車燃料となるエタノールを生ごみから作り出す実証実験を行う「新日鉄エンジニアリング(株)」や、使用済みの食用油からバイオディーゼル燃料などを製造する「九州・山口油脂事業協同組合」を巡回。最後にバスを降り、「(株)エヌエスウインドパワーひびき」の風力発電を見学しました。響灘に面した海岸線に立つ10 基の風力発電はエコタウンのシンボルでもあり、高さ100m、羽根の長さ35mの白い風車が力強く舞う光景は壮観です。10基合計の出力は15,000キロワット。年間発電量は約1万世帯分の年間電力消費分に相当し、年間で約1.2万t相当のCO2削減効果があるといいます。
施設見学を終え、奥谷係長は「日本国内でこれほどのエネルギー関連施設が集積した地域は他になく、日本最大規模の施設だと自負している。このツアーを機に日頃のエネルギーに対する意識を変えてもらえればうれしい」と締めくくりました。一方、ツアー参加者も環境意識の高い人が多いせいか、施設見学中も熱心に質問する姿が見受けられました。チーム・マイナス6%のサイトでイベントを知ったという男性は「エネルギー施設があることはニュースでは知っていたが、参加できてよかった。子供の頃はスモッグで空も灰色だったが、改めて街がきれいになったことを痛感した」と答えてくれました。
ツアーの後半は、北九州市民に昔から親しまれてきた皿倉山の散策。山頂展望台からは北九州を一望でき、その夜景は100億ドルといわれています。ケーブルカー、スロープカーを乗り継ぎ、山頂に到着。約30分の森林浴ウォーキングコースを歩き、鳥のさえずりに耳を澄ませたり、さまざまな植物に触れたりしながら豊かな森の自然を満喫しました。
ツアーの最終目的地は、門司港レトロ地区です。現地解散の後、参加者たちは、チーム・マイナス6%(環境省)と北九州市が主催する「七夕ライトダウン」イベントにも参加(自由参加)。温暖化問題について考えながら、幻想的な灯りの中でスローなひとときを過ごしました。
エコタウン事業を総合的に支援する中核的施設「エコタウンセンター」は2001年に開設。建物自体がリサイクル材で作られています。照明灯も、太陽光と風力によるハイブリッド発電式で、夜間照明やビオトープのポンプ動力に使用されています
エコタウンセンターでは、北九州市環境局の奥谷栄次さんの解説で、エネルギーの種類や特長、北九州市のエネルギー政策について学びました
工場廃熱を利用して発電する施設を有する「日本コークス工業(株) 北九州事業所」と、エコタウン内の廃棄物を再資源化し、廃熱を利用して発電する「北九州エコエナジー(株)」の施設、使用済みの食用油からバイオディーゼル燃料を製造する「九州・山口油脂事業協同組合」
年間約1万世帯分相当の電力を発電する「(株)エヌエスウインドパワーひびき」の風力発電。響灘埋立地の北岸に並んで立つ10基の風車は圧巻
奥谷係長の説明を熱心に聞く参加者の皆さん。5年前、35年ぶりに北九州に帰ってきたという女性は「街自体、昔のイメージとはまったく変わった。環境モデル都市になるまで市民や行政の努力があったこと、いろんな施設を見学して産業として成り立っていることなどを知り、とても勉強になった」と話してくれました
北九州市民に親しまれている皿倉山の山頂へは、ケーブルカー、スロープカーを乗り継いでいきます。山頂は夜景スポットとしても有名。北九州が一望できます
山道の草花や樹木などの解説をする市民エコツアーガイドの三上剛さん。参加者の方々も熱心に耳を傾け、豊かな自然を満喫していました
国民宿舎を改装した自然観察施設「皿倉山ビジターセンター」。NPO帆柱自然公園愛護会の近藤秀利さんは、「環境を考えるには、まず森に入り、自然から学ぶことが大切。人間の視点だけで環境を考えるのではなく、すべての生き物の中に人間がいることを忘れてはいけない」と語りました


